介護現場に導入されているセラピーの例

音楽療法は音楽の力を活用し、身体機能の維持や改善、生活の質の向上を目指して行われているセラピーです。乳幼児から高齢者まで幅広い世代が対象で、音楽療法士は病院や介護施設、地域、学校などさまざまな場所で活躍しています。

介護施設では、体操に音楽を組み合わせることによって、高齢者の認知症の予防や介護予防に効果的です。意思疎通が難しい方に対しても、音楽を通してコミュニケーションを取ることができ、周りの人と楽しく過ごせるようになります。

介護現場では、昔懐かしい曲や思い出の曲を聞かせることで、脳の活性化を促したり心の不安を軽減させたりするために導入されています。また、認知症の行動・心理症状の軽減にもつながると考えられています。

「アニマルセラピー」は動物と触れ合うことによって、心身を健康な状態に導くためのセラピーです。日本では、動物との触れ合いによって生活の質を向上させる「動物介在活動(Animal Assisted Activity)」が行われる場合がほとんどです。

介護現場では、主にレクリエーションの1つとして、高齢者と動物が一緒に楽しい時間を過ごす活動が行われています。豊かな愛情表現を見せてくれる可愛い動物と触れ合うことで、高齢者の表情が明るくなったり、あまり話さなかった方から言葉が出たりすることもあります。

また、認知症のケアやリハビリテーション分野での活用を目的として、医療従事者が動物との関わりを通して治療を行う「動物介在療法(Animal Assisted Therapy)」を導入しているところもあります。