身体だけでなく高齢者の心にも注意

高齢者の心のケアは非常に大切なことです。なぜなら、高齢者になるとだんだん身近な人々を喪失する機会が増えるためです。家族や友人、知人など死別や離別することが多くなり、精神的なダメージを受けやすくなります。さらには、仕事や育児など社会的な役割を失い、喪失感から自信を失くして心にダメージを受けます。
また、加齢による身体機能や体力機能の低下によって、今まではできたことが難しくなったり、できなくなったりと葛藤があります。このような状況から、心にダメージを受けてメンタルに不調がでることも珍しくはありません。

では、どのようにして高齢者の心のケアを行なうのでしょうか。そのためには、介護士が丁寧に話を聞いてあげることが大切になります。話が通じればよいというものではなく、相手のペースに合わせて話をすすめることや、話を受け止めてあげることも必要です。さらには、声の大きさや高さなども気をつけて、コミュニケーションをとります。
その他、高齢者自身が外へ散歩へ出かけたり、趣味や習い事など何か新しいことを始めたりすることで、周囲とのコミュニケーションにつながるきっかけにもなり、心にも良い影響があるでしょう。また、野菜や花を育てる園芸療法や、高齢者自身の思い出の曲を聴いたり歌ったりする音楽療法があります。さらには、動物の世話をしたり一緒に遊んだりするアニマルセラピーなど、高齢者の心のケアに役立つ、色々な種類のセラピーもあります。